CPU自作入門 ~HDLによる論理設計・基板製作・プログラミング~
この本の概要
本書ではオリジナルのCPUをゼロから設計することで,CPUの内部構造を理解するとともに,CPU設計の面白さを読者に伝えていきたいと考えています。
本書はCPUの設計をメインターゲットとしていますが,CPUだけでなく周辺機器を制御するためのI/Oやバスの設計を行い,SoCとしました。CPUだけでなく,ボードの設計やソフトウェアの設計までコンピュータに必要な要素を全てをカバーします。ハードウェアからソフトウェアまで全てを自分でゼロから設計・実装し,実機で動かします。CPUの設計から基板の設計,そしてソフトウェアの設計までを1冊の書籍で扱うことで,それぞれの関連性を包括的に理解することを可能にしています。
本書は大きく3つの章から構成されています。第1章ではCPUを中心に,プログラムやデータを格納するためのメモリや,外部との入出力を行うためのI/O,それらを繋ぐバスを作成し,簡単なコンピュータシステムを作成します。第2章では,このコンピュータシステムを実機で動作させるための基板を設計・製作します。第3章では,このコンピュータシステム用のプログラミングを行い,実機にて動作確認を行います。本書の最大の特徴は,コンピュータシステムをすべて自作可能ということです。
3つの章はそれぞれ独立しており,読者の興味に応じて好きな章のみを選択して読むことができます。
こんな方におすすめ
- エンジニアを目指している学生
- オリジナルアーキテクチャのCPUを設計・実装したい方
- オリジナルFPGA基板を設計・製作したい方
- アセンブラでのプログラミングをしたい方
目次
- はじめに
- 本書の読み方
- 目次
第1章 CPUの設計と実装
- 1.1 はじめに
- 1.2 コンピュータについて
- 1.3 デジタル回路の基礎
- 1.4 Verilog HDL について
- 1.5 本章で作成するもの
- 1.6 バスの設計と実装
- 1.7 メモリの設計と実装
- 1.8 AZ Processorの設計と実装
- 1.9 I/Oの設計と実装
- 1.10 AZPR SoCの全体接続
- 1.11 AZPR SoCのシミュレーション
- 1.12 おわりに
第2章 基板設計と製作
- 2.1 はじめに
- 2.2 仕様策定
- 2.3 部品選定
- 2.4 回路設計
- 2.5 レイアウト設計
- 2.6 部品ライブラリの作成
- 2.7 基板の3D表示
- 2.8 感光基板による製作
- 2.9 基板製造サービスへの注文
- 2.10 部品実装
- 2.11 動作確認
- 2.12 おわりに
第3章 プログラミング
- 3.1 はじめに
- 3.2 開発環境
- 3.3 シリアル通信
- 3.4 プログラムローダ
- 3.5 割り込みと例外
- 3.6 7セグメントLED
- 3.7 応用プログラムの作成
- 3.8 おわりに
- 索引
- 謝辞
- CPU自作入門 おわりに