プログラムは技術だけでは動かない ~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと
この本の概要
開発言語にくわしい。
さまざまなアルゴリズムを理解している。
開発環境を使いこなせる。
ミドルウェアなどの情報を知っている。
OSやネットワークなどの知識がある。
そんな「技術力がある人」なのに,なぜ仕事では通用しないのか?
数々の現場を経験し,いまも現役プログラマー社長として活躍する著者が,「技術を生かして食べていく」ためにはあたりまえのようでいて意外と見すごされている「技術以外」の話を教えます。
こんな方におすすめ
- 新人~中堅プログラマ
目次
第1章 なぜ,技術力はあるのにいつまでも仕上がらないのか
- マシンスペックも若い人の技術力も確実に上がっている,けれど
- 技術は理解できても,業務がわからないと売れない
- プログラマの仕事は「要求の理解」から始まる
- 「おそらくこういうことだろう」で仕事を進めるから問題になる
- 「高すぎる理想」が進捗の邪魔をする
- 現実は泥くさい例外の塊
- 重要なのは「できるかどうか」ではなく「解決できているかどうか」
- 「自分の完璧」と「他人の完璧」は違う
- 時間が経つほど,相手の要求水準は高くなる
- 自分が考えているほど,相手は気にしない
- コラム ブログをどれぐらいの時間で書くか
第2章 意味のないルールやプロセスに縛られるとうまくいかない
- なぜ,ドキュメントチェックの鬼から逃げられたのか
- 敵に回すと怖い人とこそ,本音のお付き合いを
- いかに「創造的に」手を抜くか
- 目的を達成する,より良い方法があるならば,相談するのはあたりまえ
- 「お客様は神様です」的に振る舞う元請けさんには注意
- 「見積を考える段階」でプロトタイプを作る
- 請負仕事であっても「指示どおりに進めればうまくいく」わけではない
第3章 「理想を詰めこんだ製品は喜ばれる」わけではない
- 理想はすべて詰め込んだ,けれど完成しない……
- 「どんな要求にも対応できるようにする」からうまくいかない
- 自己満足の開発
- 「安ければいい」ってものでもない
- お客さんが喜ぶだけではダメ
第4章 人とのつながりが技術を生かす
- 外に出るほうがこれだけお得
- 専門外のイベントに足を運んでみる
- コラム 一方的に講義を聞くだけの勉強会はつまらない
- 時間をかけて交流を深めるからこそ得られるものがある
- 「会いましょう」と言われたら,すぐに行く
- 甘える,頼る
- 技術力だけでなく精神的にも頼られるようにする
- なぜ,コミュニケーションがうまくいかないのか
- 指示の背景を明確に
- 相手をいらつかせないことの難しさ
- プライドの捨て方
- 切れない・先走らないために
- 切れない方法
- 知ってもらわなければ損をするだけ
- 広報活動がかつてなくやりやすくなった
- コラム なんでもやってみる
第5章 付加価値の高い仕事を得るには
- どうせやるなら,ほかではできないような難しい仕事を
- ソースの修正が難しいので,一から作る
- なぜ3時間でプロトタイプが作れたか
- 「プロトタイプとして割り切る部分」と「最初からきちんと作る部分」を明確に
- 周囲を巻き込むことでタイトなスケジュールを乗り切る
- 本稼働でのトラブルの芽を摘んでおく
- 信頼性と保守性を高める
- せっかく作ったものをかんたんに終わりにしない
- 最初は実績をアピールすることが大事
- 改良を続ける
- 機能拡張をするときに注意すべきこと
- 製品は横展開もおいしい
- 付加価値の高い仕事をするための8つのポイント
第6章 「2人プロジェクト」で新しいことを成功させる
- 「自分たちの製品を作ろう」として失敗するパターン
- 「売れる製品」を作るための秘訣
- 「別の会社の2人」で始めるのが最適な理由
- 人数を増やしすぎるとデメリットが
- プログラミング的に難しいことは少ない
- 「口で言う」のと「本当にやる」のではまったく次元が違う
- 「自ら課題を解決していこう」という気持ちをどう維持するか
- 問題をいっしょに乗り越える
- お互いの会社のプレッシャーといかにつきあうか
- 自分の専門以外の専門家とコラボレーションするには
第7章 受託開発から製品開発・販売へ
- 受託開発は安定して稼げるが,金額や喜びは少ない
- 製品開発・販売は,得意分野で勝負できて,売れれば楽しい
- 稼げるまでの間,どうやって食いつなぐか
- 「すでにある」から売れないわけではない
- みんなが「いいね」という製品に独創性はあるのか?
- 理解しにくいものには,新しい何かを生み出す可能性がある
- 価格設定をどうするか
- 安価な製品は「手離れよく,たくさん販売する」
- 高価な製品では「信頼関係を築けるか」が大事
- どうやって知ってもらうか
- 軌道に乗った後の手間がバカにならない
- 安価な製品と高価な製品,どちらが事業としてやりやすいか?
- コラム 無知をさらけ出すのは「恥」?それとも「近道?」
第8章 自分で事業部を立ち上げ,運営する
- 管理のされ方に不満を持って社長に直談判
- ノルマが達成できない苦しさ
- 受託開発は,事業部運営の初心者にはうってつけ
- 「自分の給料の3倍は稼ぐこと」が会社運営の基本となる理由
- 受託開発には出来高制が向く
- これからは「出来高制が最良の選択」とはならない
- 3年で種まきをして,失敗を積み重ねてはじめて見えてくる
第9章 日本の製品を世界で動かす
- 日本人はなぜ舶来志向が強いのか
- 「実績がすべて」だから担当者はリスク回避に走る
- 競合を意識して,海外の会社を儲けさせていていいのか?
- 海外に行ってみてはじめてわかることもある
- タイでアメリカやヨーロッパのベンダーはあまり歓迎されていない
- 国民の3分の1以上がLINEユーザー
- スマホ普及率は日本より上,動画視聴率は世界2位
- モバイル回線はパンク寸前
- 100店以上が同じものを売っている中で,どこで「差別化」されるのか
- 国が違えばニーズも変わる
- 「良い製品づくり」だけでなく「良い人間関係づくり」が大事
第10章 一生,プログラマとしてメシを食っていくには
- 心の中で「作ればいい」と思ってませんか?
- 積極的にビジネスに関わっていく姿勢が求められる時代
- 「自分が何を得意か」を知ってもらう
- 不景気で武器になるのは,結局「得意分野」
- プログラマの「得意分野」は「得意なプログラム言語」のことではない
- だれも手を出さない仕事こそチャンス