桜の樹木学
この本の概要
私たち日本人は桜が好きです。
他の樹木とは比べようがないほど鮮やかに咲き誇る桜の花は,爆発的な春の喜びを感じさせてくれます。
同時に,花の盛りが短く,散り急ぐ花びらに,人の世の無情を感じとらせてくれます。
歓喜と無情・・・・・・日本人の心を強く揺さぶる桜を,桜の側から,いわば桜の本音として語らせたらどうなるのでしょう。
本書は,植物学的知識を用いて,桜とはいったいどういう存在なのかに迫ってみます。
植物としての桜,人間の文化的側面と桜の生き様,世界の桜と日本の桜の系統などなど,さまざまな角度描かれる桜の本音とは?
生物としての桜の本音を察してみると,人間が桜を観賞して感じる世界とは違ったものが見えてきます。
貴重で美しい桜の写真と繊細なイラストをふんだんに用い,資料としての価値も併せ持つ価値ある1冊。
存分にお楽しみ下さい。
こんな方におすすめ
- 桜が大好きな方
- “生物”としての桜に興味のある方
- 桜を植物学的に見つめ直す1冊。今までにない価値ある1冊です
こんな方におすすめ
第一章 サクラの分類学
(1)種の定義〜野生種と園芸品種
- ①野生種とは
- 野生種は分類学上の「種」
- 学名と和名
- 亜種・変種・品種
- 「品種」と「園芸品種」
- ②園芸品種とは
- 人が育て,作る植物の種類
- 園芸品種の学名と和名
(2)分類体系と分類群
- ①人為的で古典的な分類体系
- リンネの分類体系
- 会社の組織に似ている?
- 種内分類群
(3)サクラの分類学的位置
- ① 新しいバラ科の分類
- 最新の分類体系
- バラ科を14連とする分類へ
- ②サクラの花のつくり
- ③サクラ属の二つの分類
- 広義の分類
- 広義のサクラ属の特徴
- 狭義の分類の出現
- ④中国への伝播
- ⑤日本に於ける狭義の分類
- 大場教授の狭義の分類
- 大場教授のサクラ属の特徴
- 筆者の見解
- (コラム 中国の分類は政治的?)
- ⑥広義のサクラ属の分類学的位置と亜属
他