ゼロからわかる構造化学入門
この本の概要
身の回りの物質はいろいろな分子からできています。その分子は,原子が結合してできた構造体です。例えばメタン分子(CH4)は平面形ではなく,正四面体形の立体です。なぜこんな立体的な原子同士の結合ができるのでしょうか? この結合のしくみが分かると,物質の性質や特徴が理解できます。さらに,小さい分子(部品)からまるでプラモデルを組み立てて新しい物質を創る時のような面白さを味わえます。作った分子の構造は,名探偵のように推理しますが,それはワクワクするほど楽しいものです。これが化学の醍醐味です。本書は分子の結合や混成軌道のしくみ,構造の推理法などをとてもやさしく解説しています。
こんな方におすすめ
- 化学を基本からきちんと理解したい人
- 物質(分子)の性質や特徴に興味ある人
- 物質の構造や設計に興味ある人
目次
第1章 すべては原子から始まる
1-1 原子は何からできているのか
- A 原子の構造
- B 原子番号・質量数・原子量
1-2 電子はどこにいるのか
- A 電子殻の種類と定員
- B 電子殻はエネルギーをもつ
- 電子殻のエネルギーの表し方
- 電子の居場所と安定・不安定
1-3 電子殻は軌道に分かれる
- A 軌道の種類
- B 軌道のエネルギーと大きさ
1-4 軌道はどんな形をしているか
1-5 電子はどのようにして軌道に入るのか
- A 電子のスピン
- B 電子配置の約束
- C 実際の電子配置をみてみる
- 水素からホウ素(1H~5B)の電子配置を見る
- 炭素6Cの電子はどの軌道に入るか
- 窒素からネオン(7N~10Ne)の電子配置を見る
- D 最外殻の電子(価電子と非共有電子対)
- E 電気陰性度
- 以下略