2016年度 書店ランキング(ベスト200・地域別)

 

 

コンピュータ関連の書籍を発行する出版社5社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構」(略称:CPU)では、この度、「コンピュータ書籍 書店別 売上ランキング」(2016年度)を発表しました。

 

ランキングのダウンロードは下記リンクより御覧ください。

2016年度 コンピュータ書売上ランキング(ベスト200・地域別)

 

 

 

【コンピュータ書籍 書店別 売上ランキング(2016年度)】

 

 

【全国ランキング】 第1位に紀伊國屋書店新宿本店、ブックファースト新宿店がベスト5入り

 

全国1位~3位では、1位「紀伊國屋書店新宿本店」(販売冊数58,425冊 前期比127.0%)、2位「ジュンク堂書店池袋本店」(販売冊数56,343冊 前期比98.4%)と、8年連続で1位の座を守っていた「ジュンク堂書店池袋本店」を「紀伊國屋書店新宿本店」が販売冊数において上回る結果となった。「紀伊國屋書店新宿本店」は多層階店でありながらも、各社コンピュータ書の主力商品を他フロアでも仕掛け展開し、売上を伸長させた。

一方、前年度3位の「丸善丸の内本店」(販売冊数36,896冊)は、前期比107.2%の伸長率で全国平均の93.8%を大きく上回る結果を残し、堂々3位の座についたまた、4位の「紀伊國屋書店梅田本店」も前年のポジションを堅守した(前期比104.8%)。5位には前年度7位の「ブックファースト新宿店」が2ランクアップし、1位の「紀伊國屋書店新宿本店」と共に、昨年惜しまれながらも閉店した「紀伊國屋書店新宿南店」の売上を新宿エリア内で享受し合う形となった。

6位~9位は、「有隣堂ヨドバシAKIBA店」「丸善ラゾーナ川崎店」「書泉ブックタワー」「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」が堅調にランクインし、10位には「ジュンク堂書店福岡店」がベスト10入りを果たした(昨年11位)。

ベスト10では西日本エリアの書店が3店舗ランクイン(昨年は2店舗)するものの、他は首都圏で占められている状況に変化は無かった。なお、ベスト10中半数以上の6店舗が前期比で100%を超える実績を残している。

一方、首都圏や関西圏以外に目を向けると、「三省堂書店名古屋高島屋店」が中部地区で変わらずトップの実績。ただリニューアルに伴う閉店期間もあり、残念ながら前年よりランキングを1つ落とし13位となっている。また、北海道地区トップの「紀伊國屋書店札幌本店」は前年より2ランクアップし17位の座を確保した。

ベスト100位内において、前年度100%を越えた実績を残した書店は44店舗、またその中で2ケタの伸びを示した書店が9店舗もあったことは、昨今、書籍の販売不振と言われる状況の中においてはグッドニュースであった。

 

最後に、昨年度オープンした主な新規店のランキングは以下の通りとなった。

・ジュンク堂書店名古屋栄店(全国134位) *20161月開店

・平安堂新長野店(全国161位)  *201611月開店

・枚方蔦屋書店(全国322位) *20165月開店

・紀伊國屋書店セブンパークアリオ柏店(全国362位)*20164月開店

・ジュンク堂書店柏モディ店(全国370位)  *201610月開店

・ジュンク堂書店奈良店(全国399位)  *20168月開店

・ジュンク堂書店南船橋店(全国553位)  *20168月開店

 

【ブロック別】 各地区のトップは揺るがずも、伸長率2ケタ台の店舗が目立つ

 

【北海道】

同ブロック3位の「三省堂書店札幌店」が昨年46位から6ランクアップし、全国40位と躍進している。また、「コーチャンフォー旭川店」が111位から104位に7ランクアップ、「函館蔦屋書店」が188位から181位に7ランクアップなど、札幌以外の主要都市部にて大きなランクアップが見受けられた。

【東北】

「丸善仙台アエル店」が今年も連続1位を達成(全国35位)するも、前期比93.8%となり全国平均に近い数字となっている。また、前年躍進しブロック内2位となった「ジュンク堂書店仙台TR店」は、今年も堅調に順位を守り、全国100位以内にもランクインしている(全国93位)。

【関東(東京以外)】

ベスト10に大きな順位変動はないものの、「丸善ラゾーナ川崎店」に次ぐブロック2位の「有隣堂横浜駅西口店」が前期比114.6%と大きく数字を伸ばし、全国ランキング18位から14位にランクアップした。また、「ブックファースト横浜西口店(旧:あおい書店横浜店)」も前期比118.0%と大きく伸長、全国100位以内にランクインを果たしている(110位→83位)。

【甲信越】

「丸善松本店」が、前期比110.4%と伸びを見せ、23ランクアップし全国129位、同ブロック内2位となった。

【東海】

「三省堂書店名古屋高島屋店」がトップを堅守。2位の「ジュンク堂書店名古屋店」は前期比113.8%と、昨年3位から2位へランクアップ。また、「丸善名古屋本店」は好調を維持(前期比121.7%)し、4位にランクインしている。今年4月には「三省堂書店名古屋本店」が駅前にオープンし、近隣書店とのデッドヒートが続いている。

【北陸】

「金沢ビーンズ明文堂」が今年も1位となり、ブロック内では群を抜いている。前期比は98.5%であったものの、全国平均は上回る結果となった。当ブロックは全般的に前期比を落とす書店が多かった中、「紀伊國屋書店富山店」は前期比115.4%と健闘を見せ、4位にランクインしている。

【関西】

上位店ランクに変動があり、「ジュンク堂書店難波店」が全国ランクで11もの伸長があり(36位→25位)、同ブロック5位となった。また、「旭屋書店なんばCITY店」も前期比128.3%の伸長を見せ、同ブロック16位から7位に躍進した(全国58位)。いずれも「ジュンク堂書店千日前店」の閉店の影響があったものと思われるが、「旭屋書店なんばCITY店」は特にプログラミングフェアの開催や、Excel関連書の展開強化、パソコン書棚への積極的な導線作りなどで売上を伸ばした。

【中国】

「丸善広島店」が今年も首位を堅守。昨年は上位10店舗がすべてランキングを下げたが、今年は「ジュンク堂書店広島駅前店」「紀伊國屋書店広島店」「丸善岡山シンフォニービル店」などがランキング・前期比とも上げている。なお同ブロックには今年大型店の「広島蔦屋書店」がオープンし、今後さらなる競争が予想される。

【四国】

「宮脇書店南本店」が同ブロックのトップを死守した。売上冊数では2位の「ジュンク堂書店松山店」が前期比100%を超える実績を残し、首位に肉薄している。一方で、同ブロック3位の「宮脇書店本店」が前期比91.2%と、ランキングを落とす結果となった(全国174188位)。

【九州・沖縄】

ベスト10内では大きな変動はなかったものの、同ブロック1位の「ジュンク堂書店福岡店」が全国10位と堂々のランクインを果たした。また、ベスト106店舗が前年比100%以上の実績となっており、全国的に見ても好調なブロックであった。特に「丸善博多店」と「喜久屋書店小倉店」は伸長率で2ケタ以上の実績を残している。

 

人工知能(AI)・機械学習などの技術書を中心に、高価格帯商品での売れ筋が実績を残すとともに、2020年へ向けた子供向けプログラミング書への期待感も高まった

 

今年度を代表するキーワードとして、人工知能(AI)・機械学習・ディープラーニングなどが挙げられる。メディアにも盛んに取り上げられ大きなムーブメントとなっており、現在も各社新刊を続々と発行している。一方では、2020年に必修化となる「プログラミング教育」に向け、今年度のCPU大賞書籍部門のトップに輝いた「ルビィのぼうけん」(翔泳社刊)に代表されるような、子ども目線で書かれたプログラミング書や、親子で学ぶプログラミング書にも大いに脚光を浴びた年であった。また、Excel関連書においては「パソコン書棚以外(特にビジネス書棚や話題書棚)」での展開もポピュラーなものとなりつつあり、日ごろパソコン書棚へ足を運ぶことのない読者層の掘り起こしなど、親和性の高い「他ジャンル棚」への展開傾向はしばらく続くものと思われる。

 

※コンピュータ書籍 書店別 売上ランキングの集計方法および対象期間について

「コンピュータ書籍 書店別 売上ランキング」(2016年度)はCPU加盟会社5社より提出された売上冊数の合計で算出しています。各社の売上は各社が独自に集計した売上データです。

今回発表した2016年度のランキングは、20164月から20173月までの1年間を対象としています。この期間中に開店した新規店舗、同じく閉店した店舗については1年間の売上でないことから除外しています。また、5社の売上データが揃わない店舗や、諸事情により正確な集計ができていないと思われる店舗については除外しています。

 


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